管理人の蒼猫です。色々と中華オーディオ界隈を騒がせる事件があり、当ブログにおいてもその事件に多少巻き込まれました(巻き込まれに行った)が、気持ちを整理した上でいつも通りのレビューに戻ります。

私のTwitterの方を見られている方は分かるかと思いますが、6〜8月のオーディオ機器の購入報告が非常に少なく、「あれ?コイツレビューしてる人間だよね??」って思われた方も居ると思ったり居ないと思ったり(?)

オーディオ機器の購入報告が少なかった理由として最大の要因が本格的にカメラに沼った事であるのですが、実を言うともう一つ原因があり、その原因とは今回レビューするAudiosense DT600です。

当ブログのレビューをよく読まれている方は察せると思いますが、当ブログではAudiosenseのIEMを追うようにレビューしており、当然DT600のレビューも少し情報が出た段階でレビューする事は決まったようなものでした。

発売前の事前情報にて「T800よりも優れている(どこがどう優れているかなどの情報はなし)」といった情報があり、期待が高まると共に予想額が高くなりそうと考えていました。
その結果オーディオ機器の購入を控え、発売を静かに……ではなく、結構うるさく待っていました。
その結果が購入報告が少なかった小さな一因でした。

そしてAudiosenseはやってくれました。T800よりもかなり安価でDT600をリリースしたのです。

先に記しておきます。スマートフォン単体では絶対と言っていい程にDT600の本領は発揮させられません。
詳しい理由については後述しますが、簡単に説明すると、かなりの出力不足です。

それではまずは開封から。
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今回の外箱は1.5万円以上のAudiosense製イヤホンで見られる黒に本体のイラストの高級感ある外箱です。
今回のオマケは80Ωのアッテネーターなのですが、これがこのDT600を語る上で欠かす事のできない鍵となります。

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裏側には仕様が記載されています。
DT100辺りからAudiosenseは日本市場を強く意識しているのか、箱に日本語表記をするようになりました。
日本語表記におけるありがちな事である「フォント選びが悪くて安っぽく見える」が発生しておらず、非常に良い印象を持てます。
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そして外装を外すとお約束の黒無地箱です。
この黒無地箱に対して母が調理したカレー並みに安心感を抱いてしまう感覚がとうとう現れ始めてしまいました。
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そして黒無地箱を開くと本体の鎮座する大型クリアケースとご対面。
この大型クリアケースもAudiosenseのハイエンドモデルでは恒例のケースですね。
一応記しておくと、NW-A50シリーズ程度のサイズであればDAPも入ります。
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こちらが入っている物全てになります。
ケーブルやブラシ、イヤーピース類は"Hello"と記載された箱の中に入っています。
イヤーピースが4袋ギチギチめに入っているので見落として箱を処分する際にイヤーピースまで処分してしまわないよう注意が必要です。
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いよいよ本体とご対面です。
DT600のフェイスプレートには螺鈿に銀箔が散りばめられたようなものとなっています。
一応他の方の購入報告を見る限り銀箔の位置や螺鈿模様などが異なる事から世界に一つだけの模様のフェイスプレートと思われます。


形状自体はDT100,DT200,DT300(近日レビュー予定),T800に共通するものですが、BAが多い程サイズは大きくなります。

スペック
ドライバ:BAドライバ6基(Knowles製)
コネクタ:MMCX
周波数帯域:20Hz〜20kHz
インピーダンス:14Ω
感度:106±3dB
遮音性能:30dB


とまぁここまで見ると割と平凡なイヤホンなのですが………
正直なところ、80Ωアッテネーター無しでは低音域がかなりモコモコとしており、とても聴けたものではないです。


ただアッテネーターを噛ませることで良い感じの音になるので今回のレビューでは80Ωアッテネーターを噛ませた上でレビューを行います。
尚、当然の如くアッテネーターを噛ませるとかなり高い出力を要求されるので、前述した「スマートフォンでは本領を発揮させられない」は出力不足により記載するに至りました。


音について
今回は緑軸の付属イヤーピース(S400)を使用した上でレビューします。




まず聴いて真っ先に強い印象を受けるのは低域。
沈み込むような鳴り方と言うより、頭の中心で爆発を起こしているかのような頭を内部から揺さぶられるような鳴り方です。
「私の頭を内燃機関にするつもり?」とさえ思ってしまいました。以前T800のレビューにて
フルBA機とは思えないDD搭載機クラスの強力な低音域であり、勿論特化機には力強さで劣りますが、解像感の高いBAらしさも同時に味わえます。
と記したのですが、DT600はT800を上回るより強力な低音域の鳴り方であり、正直な所低音域特化DD機と張り合えるように感じました。


それ程に低域の鳴り方に関しては強力であるのにも関わらず、音の粗さが殆ど感じられないので、非常に丁寧な低域の鳴り方をしているように感じました。

男性ボーカルと女性ボーカルはアタック感と伸びが非常に良く、目が冴えるような感覚を抱きました。(深夜3時にDT600を聴きながら書いた事をちょっと後悔しました。目が醒めて眠れなくなりそうですから。)


中高音域は主張がやや控えめであるのですが、正直このレベルの低音域特化機では「丁度良い」とさえ感じてしまいます。

高音域の鳴り方はT800以上に弱く、正直な所意図的に削られているようにさえ感じる程でした。
だからといって高音域は無と謂う訳ではないのですが、「一応鳴っている」程度でした。

とまぁ記していて察した方はいるかと思いますが、T800の個性を極端に強くしたような音です。

総評
総評を書くつもりだったけど上の「T800の個性を極端に強くしたような音です」でDT600の総評で書くべき内容をかなり持ってかれています。
T800の強みから弱点までも極端にしたような具合です。

アッテネーター必須かつパワフルなDAPでも高い音量を要求されるという非常に扱い辛いイヤホンですが、T800よりも安価でT800の個性を極端に伸ばしているような音だと考えると、ポータブルしない覚悟とそれなりの上流機器があれば全然アリだと思います。

聴いてみて低音域について正直やり過ぎだと感じる方もそれなりに居ると思います。
しかし私のように「やり過ぎ」と世間一般では言われる程の低音域を求める者は一定数居るのです。
そうした一定数に当てはまる方は本当に一聴する価値があるイヤホンだと思います。

装着感と遮音性に関してはいつも通りのAudiosenseと言うべきか、かなり良いのでその点が心配な方もご安心を。

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